ホームエデュケーションには「スケジュール」が必要?
ホームエデュケーションを始めると、学校で学ぶときと同じように、「1時間目は国語、2時間目は算数・・」という「スケジュール」を立てたくなる、あるいは立てなければいけないような気がしてしまう。そんな声をよく聞きます。私自身も、しっかりしたスケジュールが必要と思っていた時期もありました実際、しっかりしたスケジュールがあった方が安心できるという子もいますので、一概に何が正解と言えるものではありませんが、うちの場合、予定通りに進めようとするほど、「まだやってないよ」「次はこれだよ」と声をかける場面が増えていき、お互いのストレスに。そこで、いろいろな方法を試しながら、うちでは「時間割」ではなく「リズム」と「ローテーション」を軸にするようになりました。
「リズム」は、「流れ」と言ってもいいかもしれません。何時から何をする、と細かく決めるのではなく、「朝は読書から」「コアスキルは毎日少しずつ」「午後はその日のテーマ」というように、一日の中に大まかな流れをつくっています。そのうえで、「次に何をするか」は本人が決められるようにしています。
「リズム」と「ローテーション」を軸にした一日/一週間の流れについて書いてみたいと思います(フィールドトリップに出かける日や、畑仕事をする日、誰かに会う日など、いつもと違うすごしかたをする日もあります)。
「リズム」と「ローテーション」でつくる日々の流れ
読書と新聞
朝はまず読書から始めます。 ”DEAR(Drop Everything And Read)”と呼んでいて、とにかく集中して本を読むことを楽しむ時間。読む本は本人が選び、ソファーに寝転がったり、バランスボールに座ったり、好きな姿勢で。30分読む日もあれば、物語に引き込まれて、1時間以上読む日もあります。この半年間で55冊の本を読みました。
その後、その日届いた「小学生新聞」を広げます。連載小説と漫画を読むことを楽しみにしています。一面と二面は必ず目を通すことにしていて、そのほかは、興味を持ったニュースがあれば読んでいます。
コアスキル
続いて、「コアスキル」。日本語・英語での読み書きや算数のように、学びの土台となり、積み重ねが重要なものについては、毎日少しずつ取り組むことにしています。それぞれに使う教材は一緒に選んでありますが、どのような順番で、どのくらいの量や時間取り組むかは本人が自由に決めています。
たとえば今日取り組んだのは、
算数
問題集を使って、「分数を少数で表す」考え方を学ぶ。問題を解いて答え合わせをし、解説を読んで、わからなかったところは一緒に確認。
国語
「こども言語化大全」という本を使って、楽しみながら「言語化力」をのばす試み。「つなぎことばリレーゲーム」(「だから」「なぜなら」などの「つなぎ言葉」を使って一緒にひとつの物語を作る)、「ところが!びっくりゲーム」(「ところが」という言葉を使って予想外の展開を考える)。
AIと作ったオリジナルの推理小説風の漢字教材を使って、小学5年生の漢字の復習。
英語
「Creative Writing Skills」という本を使って、物語を書きながら、登場人物の発言について「~が~と言った」と書く代わりに「叫んだ」「つぶやいた」「罵った」など、表現を広げる練習。
お昼休憩
夫が在宅で仕事をしている日は夫も交えて一緒にお昼を食べ、午前中にしたことなどを話します。短い時間ですが、学んだことや面白かったことを第三者に聞いてもらったり、成果を見てもらったりすると、それがまた次の興味につながることがあります。
午後はいろいろな活動を「ローテーション」
コアスキル以外の科目、理科・社会や、音楽・図工・家庭科・体育などについては、「今日は理科と音楽、明日は社会と図工」、というように、日ごとにローテーションしながら学んでいます。曜日などで固定せずにローテーションすると、出かける予定や天候の影響などに左右されず、かつそのときどきの興味や関心に応じて柔軟に取り組むことができるので便利だと感じています。一般的な科目のほかに、本人が知りたいこと、身につけたいことも含めてローテーションしています。(カメラのしくみや撮影の技術、人体のしくみ、フランス語、バレエの歴史など)
たとえば今日は、
理科
「植物の生長」についての問題を解き、わからなかった部分について、参考書やネットで調べながら確認。「とうもろこしの種」について調べるうちにポップコーンを作りたくなったので、おやつに調理。
音楽
ピアノの練習。
図工
折り紙で立体の作品づくり(YouTubeで作り方をみながら蓮の花、桜のくす玉、キャンディボックスなど)。義父の誕生日が近いため、カードのデザインを考えて折り紙で作成。
仲間とすごす「放課後」
「放課後」には、習い事としてバレエとジャズダンスをしていて、定期的に発表会や舞台に参加しています。技術の習得と同じく、あるいはそれ以上に、仲間と関わり、協力したりぶつかりあったりしながらひとつの目標に取り組む大切な時間になっています。
親の役割と時間の使い方
ホームエデュケーションの日々のすごしかたを考える上で、サポートする親の役割や時間の使い方も工夫が必要だと感じています。
家で学び始めた当初は、手取り足取りサポートが必要だったため、私も隣に座って手伝っていましたが、今はかなり自律的に取り組めるようになってきました。「次に何をするか」について私から指示をすることはほとんどなく、内容的な面で、対話の相手や手助けが必要な際にサポートしています。
私自身の日々のおおまかな動き方としては、読書と新聞の時間の間に掃除や洗濯をすませて、コアスキルの時間はダイニングテーブルに一緒に座り、事務仕事をしたり、自分自身の勉強をしながら、書いた文章に目を通して質問をしたり、算数の問題に行き詰ったときに手助けをしたり、ゲームの相手をしたり、などしています。
息子のためにお弁当を作っているため、家族全員分を朝作ってしまい、お昼の時間には調理をせずにすぐ食べられるようにしておくことで、気持ちにも余裕があり、スムーズに過ごせると感じています。
午後は、その日の内容に応じて、料理や実験、工作などを一緒にしたり、一人で取り組んでいる横で家事をしたり。学びと遊び、暮らしが入り混じった、混沌としていて、でも豊かな時間だと感じています。
学びの舵を自分でとる
私がホームエデュケーションを通して身につけてほしいと思っているものは、知識や技能だけではありません。
「今日は何からやろう」「これをやりたい/やりたくない」「これはやらなければいけない/やらなくてもいい」「これは一人でできそう/手伝ってほしい」と、自分の状態や興味に気づき、考え、選ぶことができる力。つまり、自分で学びの舵をとっていく力。
それは、与えられた完璧なスケジュールに沿ってすごすことでは、なかなか身につかないもののような気がします。だから今の我が家では、厳格なスケジュールのかわりに、ある程度のリズムと、次の一歩を自分で選べる余白をつくっています。その余白の中で、「次は何をしよう?」と自分で考えながら、できれば少しわくわくしながら、一日一日をすごしていけたらと思っています。


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